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のしりこ『恋愛だけがすべてじゃない──アセクシュアルから考える恋愛論』2025年11月23日発売

2025 11/21
blog news & blog お知らせ
2025年11月21日2026年2月18日
目次

『恋愛だけがすべてじゃない──アセクシュアルから考える恋愛論』

───愛することは恋愛だけじゃない。

この本は、恋愛の歴史や文化をたどりながら、他者に性的に惹かれないアセクシュアル(アセクシャル)という在り方を描くエッセイです。「アセクシュアルが愛を語る」本ではなく、日本の恋愛の歴史と文化の流れの中で、アセクシュアルを接続し、描く前例のない一冊です。

なお、第一章は、過去にnoteで公開していた文章(現在は非公開)をもとに、大幅に書き直したものです。新たに加筆を重ね、本として読めるかたちに仕上げました。

『恋愛だけがすべてじゃない──アセクシュアルから考える恋愛論』目次と詳細

はじめに

第一章 草食系とアセクシュアル──変わり続ける恋愛観のかたち
第二章 現在のアセクシュアル──二冊の入門書から見えてくるもの

おわりに──あとがきのようなもの

参考文献
初出一覧

タイトル:恋愛だけがすべてじゃない──アセクシュアルから考える恋愛論
仕様:B6 / 50ページ
初回版特典:購入者限定おまけカード(名刺サイズ)つき

文学フリマ東京41では初回版を販売。

『恋愛だけがすべてじゃない』紙版はこちら

『恋愛だけがすべてじゃない』電子版はこちら

文学フリマ東京41の詳細記事はこちら

【試し読み】『恋愛だけがすべてじゃない──アセクシュアルから考える恋愛論』「はじめに」全文公開


【試し読みはじまり】

恋愛って、何だろう。よく聞く言葉だけど、改めて考えるとわからない。しかし、世の中では、愛の中でも恋愛だけが特別視されている。けれど、私たちは家族、友人、仕事仲間、そして猫や犬のようなペットなどのさまざまな相手に愛を注ぐ。でも、その愛と恋愛はどう違うのだろう。しかも、ひとは恋愛をすることが当たり前であるかのように世の中で語られている。けれども、果たしてほんとうにひとは必ずしも恋愛しなきゃいけないのだろうか。そんな疑問を抱えていた私は、ある日「アセクシュアル」という他者に性的に惹かれないことを意味する言葉に出会った。

この本は、主に恋愛とアセクシュアルについて書いている。この先では、アセクシュアルと日本の恋愛の歴史や文化などを結びつけ、アセクシュアルがいったいどういう存在なのかを語っていく。そして、アセクシュアルは、ある日突然現れたものではなく、恋愛観や家族観などの変化により、歴史的に必然だからこそ出てきた存在であることを描いていく。
しかし、なぜ、アセクシュアルなのか。それは、私自身、アセクシュアルがどういう存在なのか、知りたかったからだ。数年前、恋愛がわからなくて悩んでいた私がアセクシュアルという言葉を初めて知ったあの頃は、日本にはまだアセクシュアルをメインに扱った本がなかった。そのため、インターネット上に散らばった情報を集めて、少しずつ学んでいった。だが、定義などはわかっても、「アセクシュアルはどういう存在なのか。」という問いに答えられる情報は、どこを探してもなかった。でも、もしかしたら、いつか現れるかもしれない。そう思って待ち望んでいたものの、なかなかそのことについて触れるひとが現れなかった。ならば、自分で調べて書くしかない。そうして、この本が生まれたのだ。

ここ数年、日本でも、アセクシュアルをメインで扱う本が出始めている。けれど、その多くは翻訳本か英語圏(とくにアメリカ)の研究や言説をベースにしているため、日本の文化や恋愛史との接点が弱い。そのせいか、アセクシュアルは、突然変異のように新しいものとして捉えられてしまうところがある。
でも、じっさいには、過去に繋がる物語が見えないだけなのだ。日本と英語圏のアメリカなどでは社会の成り立ちや宗教観、家族観などが異なり、恋愛や結婚のあり方も大きく違う。いまこそ、日本という場に根ざしたアセクシュアルの語りを求められているのではないだろうか。そこで、この本では、アセクシュアルがいったいどういう存在なのかを日本の恋愛の歴史や文化などと結びつけて書くことにした。

さて、ここでアセクシュアルとは何なのか、簡単に触れておきたい。アセクシュアル(Asexual)とは、他者に対して性的に惹かれないことを意味する。他にも、アセクシャル、Aセクシュアル、無性愛と呼ばれることがある。似た言葉にアロマンティック(Aromantic)があり、こちらは他者に対して恋愛的に惹かれないことを意味する。つまり、性的な惹かれと恋愛的な惹かれを分けて考えるのが、いまのアセクシュアルの捉え方なのだ。
そして、アセクシュアルやアロマンティック以外にも、そのようなことを指す言葉がある。たとえば、他者と強い信頼関係を築いたときのみ性的に惹かれることがあるデミセクシュアルや、他者に恋愛的に惹かれることはあっても、その感情を返してほしいとは感じないリスロマンティックなど、他にもさまざまな言葉がある。こうした用語をまとめて、Aro/Ace(アロマンティック/アセクシュアル・スペクトラム)と呼ぶことがある。また、日本独自の用語として、恋愛的には惹かれるけれど性的に惹かれないことを意味するノンセクシュアルという言葉もある。

ここまで読んで「こんなに一気に用語を出されても、覚えられないよ!」と言いたくなると思う。アセクシュアルのことを説明すると、どうしてもカタカナの用語だらけになってしまう。とはいえ、先ほど説明した用語をすべて覚えられなくても、大丈夫だ。この本は、アセクシュアルの意味さえなんとなく知っていれば、ほとんど読めるようになっている。だから、安心して読み進めてほしい。

まず、第一章では、日本でかつて流行語となった「草食系」という言葉を取り上げながら、日本の恋愛の歴史とアセクシュアルを語る。また、第二章は、ここ数年で発売された二冊のアセクシュアルの入門書について触れつつ、そこから見えてくる現在の状況を語っていく。

それでは、これから、恋愛とアセクシュアルについて日本の文化や歴史などを結びつけて書いた物語を語っていこう。

【試し読み終わり】


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